400年の歴史を誇る”琳派”の世界観をモダンに表現。本来の絢爛なる芸術世界はそのままに、今の時代にふさわしい色使いとデザイン。食卓を彩りながら、日本の美意識と繊細さを感じることのできる一膳です。

「琳派」とは、俵屋宗達の創始から100年ほど後に絵師となった尾形光琳(1658～ 1716) の「琳」をとって名付けられた名称で、組織や師労関係、家系ではなく先人の業績への畏敬の念によって断続的に継承され、確立された芸術の潮流です。

「漢画」と言われる水墨画の技法を基礎に、平安絵巻に見られる「大和絵」の技法もふんだんに取り込み、琳派は独自のデザイン性に富んだ様式を作りあげました。

Rimpa箸は、自然をモチーフとした藤、松、流水、竹、蔦、梅の６種の柄を展開。長い歴史の中で幾人もの作家が繰り返し好んで描いた題材を箸のデザインとして表現しました。

藤（Fuji)：藤は日本に野生し、日本人に非常に親しまれてきた植物です。花の色は華美ながら決して濃くはなく、和合性のある女性らしさを表しています。藤は樹齢が長く「フジ」という響きが「不死」を連想させることから縁起がいい花とされてきました。

松 (Matsu)：枝を四方に広げた笠松をデフォルメした松は琳派の作品でよく描かれ、いずれも生命力あふれた存在感があります。松は常緑樹で1年中青いため「永遠の命」の象徴です。 また、松の中には樹齢数千年というものもあり、不老長寿と結びつけられる樹木の一つです。

流水（Ryusui）：形をもっていない流れる水を日本では古くから描いてきましたが、芸術的に洗練し、優雅な美しさに完成させたのが琳派です。流水文様は「厄を流す＝魔除け」や「流れる水は腐らない＝清らかさ」などの意味があります。

竹（Take)：日本人と竹は深い関わりがあり、竹の若々しさ、強さ、しなやかさ、繁殖するエネルギーに魅せられるとともに、枯れた竹にまで美を探る感性を培いました。また、竹は青々としてまっすぐ伸びる様子から、子孫繁栄を意味し、清浄な植物のひとつとされています。

蔦（Tsuta)：蔦は生命力が強く、繁栄する様子や蔓と蔦葉の美しい風情は琳派の画家達に好まれよく描かれました。 蔦は巻きつきながら成長してゆく姿から生命力と永遠性を表します。

梅（Ume)：花弁を線描きしない梅花の描き方や蕾の配列、樹幹に見られるたらし込みは光琳梅として愛好されています。厳寒の中で、ほかの花に先駆けて咲く香り高い梅は、中国では逆境に耐える人生の理想とされ、日本でも『万葉集』に多く詠まれ、縁起のいい花とされてきました。